蒼釼のドラグーン

おじさんパラダイス
二次創作小説 作者 : AS様【 WEBサイト

罫線

「おじさん、大好きだよ」
『ああ、メイル私もだ』
「嬉しい、嬉しいよ! おじさん」
『よせよ、照れるじゃないか。警察が見ている』
「そんなの関係ないよ、だってこれは――」



「――なにゲームをやっているのだメイルよ」
「ふんごぉがっちゅー」

 TV画面の前でメイルはずっこけた。
 ブロスはずっこけたメイルをしげしげと眺める。

「お、おじさんいつからそこに」
「『おじさん私にぶち込んで』あたりからだな」
「そんな事いってないよ!ゲームなんだもん!これはゲームなんだもん!」

 メイルは必死にパッケージを隠そうとする。
 しかし――

「どけい!」

 ブロスはパシンとメイルを払いのける。

「むむ……」

 ブロスはパッケージを見る。そして――

「こ、これは」
「違うんです、違うんですブロスさん」

 ブロスがびびる。メイルが慌てて隠そうとしたゲームパッケージに貼られている
 赤いシール。そこにプリントされている文字は――

「十八禁、だと……」

 ごくり、とブロスは息を飲んだ。

「おじさんパラダイス。おじパラーーー!?」
「ワタシハメイル。スキナモノハハクマイ……私に感情はアリマセン」

 ロボットのように感情を消すメイル。
 ――全力でごまかしにはいっていた。

「ふんっ!!」

そうは問屋は下ろさない。

「教育だ、メイル!!」
「わわっ!?おじさん」

 ブロスはメイルの股を、ムンズとわしづかみした。

「ぶぶ!?ブロスさんなんて所を掴んで――まさか――」

 メイルの体が恐怖に凍る。メイルはブロスの必殺動作を知っていた。
 メイルが抗議の声を上げる。
 しかし知った事ではない!っとブロスは烈しく思った。

「こんのムッツリスケベがぁぁぁ」
「ス、スケベちゃうもん……」
「嘘をつくな!教育の時間だぁぁメイルぅぅ!!!」

 ブロスが吠えた。それはブロスの必殺教育技。

「うわああああぁぁぁ」

 天高々、ブロスがメイルを持ち上げた。ブロスは吠える。

「星を落とせ!!」

檄声と共に放たれる――星落とし。

「ひいいぃぃ――」

 大股を開かれ叫び声を上げるメイル。
 瞬間、メイルの全身を無重力感が襲った。

 ズガアアアアアァァァァン!

 メイルが地面に叩きつけられる。
 衝撃衝撃、衝撃。

「あっ……」

 メイルの頭にひよこが百匹くらい舞い踊る。頭がピヨピヨ。

「さぁ……このゲームの詳細を教えてもらおうか!メイルよ!!」

 十八禁恋愛ゲームを見据え、ブロスは言った。

 ◆

「…………」
「――闇市で買ったんです。このゲーム」
「ゲーム? 頭文字が抜けているぞ、メイル」
「ゲーム……十八禁ゲームです」
「ふむ……」

 ブロスはメイルから詳細を尋問した。どんな方法で吐かせようと思ったが、
 メイルは意外とあっさりゲロったので、ブロスは少し残念な思いがした。

「ままならんものだな」
「ブロスさん……?」
「いや、なんでもない」
「まとめようメイル。お前は十八禁ゲームを闇市で買った」
「その通りでございます」
「でも、なぜだ……なぜそういったものを」
「……ブロスさんには関係ありません」

 若干ふてくされた様子でメイルは言った。

「答えてくれないのかね、メイル」
「ブロスさんには関係ありません」
「わかった。仕方ないな」

 ブロスは立ち上がり、星落としの体勢を――

「嘘ですすいません私が悪かったです」

 メイルは平身に謝った。
 ブロスの星落としはメイルの心にトラウマを刻みこんだようだ。

「まぁこれは廃棄しないとな。なんせこのゲームは十八禁だ。メイルにはまだ早い。なんせメイルはまだ十さ――」
「ブロスさん!」
「な、なんだメイル!!」

 世界の終わりを感じさせるような鬼気迫る形相でメイルはブロスに詰め寄った。

「メイルは十八歳以上です!!」
「なに!!」
「メイルは十八歳以上です」
「なにを言う、メイルはまだ……ハッ」

 そこでブロスははたと気づく。己を見つめるDLサイ●神の視線に。

「そうだなメイル!メイルは十八歳以上だ!!」
「そうですよ〜ブロスさん〜やだな〜〜」
「はっはっは、すまんなメイルよ。はっはっは〜」

 ここに平和は保たれた。

「それはそれとしてだ。実際こんなもの持っていてもどうにもならんだろう」
「でも、遊べますよ」
「どうやってだ」
「聞かないでください」

 メイルは照れて横を向いた。あまり踏み込みたくはない。

「捨てるなんてもったいないです!やりましょうブロスさん!!」
「だがメイルは十さ……」
「ブロスさん!!」
「あぁいやいやすまんすまん……ふむ……ではこうしよう」
「どうするんですか?」
「私がやってみる。私はアダルトだからな。大人の魅力だ」
「あっ、ブロスさんうざいです」
「つまり、私がプレイする分には何も問題はない。メイルは横から見ている。これでどうだ」
「うーーん……」

 メイルは黙考した。

「やっぱり私がやりたいです!!」
「なに……」

 ブロスは意外に思った。ブロスが折衝案を出した時、大概メイルは納得した。
 食い下がるケースは稀といっていい。

「どうしてもこのゲームがやりたいんです!!これは純粋な気持ちです」
「……ふむ……」

 ブロスはアゴに手をあてた。ブロスを真っ直ぐに見つめるメイル。

(今日は少しメイルに厳しくしてしまったしな……)

 星落としもやっちゃったし……。

「わかった。でもアダルティーなシーンは止めるかもしれんぞ」
「はい、大丈夫です」

 そして、メイルはゲームを起動する。

 おじパラが始まった――――

 ◆

【どのおじさんにする?】

「いきなりおじさんの選択肢が出てきたぞメイル」
「はい、これは選択式の乙女ゲーなんです。シュメールの技術で作られたんですよ」

 ディスプレイには何人かのおじさんの顔が映っている。
 ブロスにはそのおじさんの顔の一人に目をやった。

「なんだ、この長髪で気持ち悪いおやじは。ひねくれた顔。さぞ精神をお病みになっているに違いない」
「そ、その、ブロスさん」
「こんな気持ち悪いおじさんはやめやめ――やめれない!!」

 ブロスはびびった。ディスプレイに映った顔。それはブロスそっくりの顔だった。

「こ、これは……私ではないか」
「そんな事ないですよ。顔も同じで名前を同じになっていますが別人です」
「ふむぅ」

 ブロスはまじまじとディスプレイのキャラを見つめた。

「服装も全く一緒だな」
「偶然ですよ」

 なんせメイルが別人といっているのだ。きっと別人なのだろう。
 そして、ディスプレイのおじさんも見ていく。

「なんかこのおじさん共……知っているぞ」

 一人はマッチョ、一人はインテリ。もう一人は小僧だ。
 くっ……なんだこのメンツは……イライラする。
 そして、ディスプレイのおじさんがなにやらしゃべりだした。

『メイル、一緒に部屋にいかないか』

 マッチョがメイルを誘った。

「ふんがああぁぁーーーーーーワシのメイルになにしくさっとるんじゃぁい」

 ブロスはメイルに色目を使うおじさんに憤慨した。

「おじさん、ゲームだよゲーム!!」
「おじさんゲームとかわかんねぇから!まじわかんないから!!」

 荒ぶるブロスをよそにメイルはゲームを進める。

(ど、どうするのだメイルよ。部屋にいくのかメイル!いったらいたずらロリ巨乳だぞ!!メイル!!!)

 心配するブロス。しかしメイルは

「ごめんなさい、と」

 マッチョの誘いを断った。

「おぉ……」

 ブロスはブロスの息を吐いた。

「ふふ、安心した? おじさん」
「そ、そんな事はない」
「ふふ、おじさんかわいい」
「大人をからかうんじゃない!!」

 そんなこんなをしているうちに、画面のマッチョは寂しげに去っていた。
 さらばだマッチョよ。
 そして時間が経つと次に、インテリが画面に表れた。

『メイル、私の部屋でシュメールの子孫繁栄をしないか』

「――――」

ブロスが沸騰した。

「きさまぁーーーー私のメイルに何をーーーーー」
「ブロスさん!ゲーム!!ゲームやから!!!」
「しかしだなぁーーーー子孫繁栄を!!許せん!!!」

 怒り狂うブロス。それを見ながらメイルはクスリと微笑み、ゆっくりとボタンを押す。

「いいえ、と」

 メイルはインテリの誘いも断った。
 インテリがとぼとぼと立ち去っていく。

「おおぉぉぉ……」

 インテリの誘いを断った、メイルにブロスは心から安堵した。
 だが同時に考える。マッチョもインテリも金を持っていた。顔も悪くない。
 そもそも本来このゲームはいちゃいちゃするゲームだ。
 金をもったおじさんの誘いを断るメイルの真意がいまいち見えない。

「メイルよ、なぜ断り続けているのだ」
「ふふっ……」

 ブロスの問いにメイルは微笑みを返す。
 ブロスの様子を嬉しく思っているようにも見えた。
 そして――

「なに――」

 ブロスはびびった。
 画面に出てきたのはブロスそっくりの男。
 画面のブロス(仮)が口を開く

(こいつは……どんな台詞をいうのだ)

「なぁ、メイル。スケベしようや」

(おおっとおおおおおーーーー)

 ブロスはびびった。議論の余地無く最低の口説き文句。

(私はそんな事はいわんぞ!! そんな口説き文句で女がついてくるはずないだろう)

 そこでブロスは横目でメイルを見た。さぞ軽蔑しているに違いないだろう。しかし。

(なにっ)

 メイルの顔は――

「慈しみ、だと」

 なんと慈しむような笑顔でメイルはブロスを見ていた。

「――はい――」

 メイルは、史上最低のブロスの口説き文句に「はい」と答えた。

「バモラーーーーーーーー!!」

 ブロス(リアル)は腕を天に掲げ、歓喜の雄叫びを上げた。
 画面のブロスは「ひざまづけ雌豚」といっていた。
 とことん最低だった。

「メイルよ……本当にいいのか」

 ブロス(リアル)はメイルに言った。ひいき目にみても画面のブロスは最低だ。

「いいんです、だってブロスさんですよ」
「お、おう……」

 無条件の信頼にブロスは少し気恥ずかしくなった。

(次はどんな展開になるのだ)

 食い入るように、ブロスは画面を見つめる。
 常識的に考えてデートだろう。
 どこに連れて行くのだろう。メイルは10歳。遊園地か?それともショッピングか?
 はたまた公園か?
 この画面のブロスはどんなデートをするのだろうと、ブロスが戦々恐々とする。
 そして画面が切り替わり――

「しゃぶれよ、メイル」

 いきなりエロシーンが展開された。
 もちろん、全裸。しかも男のブロスだけが画面にいる。誰が得するのだろう。

(こいつ欲望しかないな……)

 あまりのブロス(バーチャル)の所業に直球にブロスはどん引きした。
 さすがにこれは駄目だろう……
 そう思い、ブロスはメイルをちらりと見た所。

「はおっ!」

 ブロスはびびった。

「あぁおじさん……」

 恍惚の瞳でメイルは画面を見ていた。
 なにやら下半身をモジモジさせている。

(えっ、それやっちゃう? やっちゃうのメイル?)

 ブロスはドキドキしながらメイルを見る。

「喜んでしゃぶるよぉおじさん……そしてメイルに」

 そして、メイルは指先を下半身に手を伸ばし、

「メイル―――――――」

 ブロスはメイルにタックルして止めた。

「それはアカン、アカンよメイル!!」

 ブロスはメイルを押し倒していった。
 危なく十●歳のメインヒロインのG行為という
 壮大な爆発をかますところだった。そうこうのドラグーンは全年齢でござる!!

「おっちゃんメイルをそんな娘に育てた覚えはないでぇ!!」

 ブロスはどなりつけた。
 メイルは黙ったままだ。

「メイルっ!」
「……」

 メイルは光のない瞳でブロスを見た。先ほどの恍惚の気配は消え失せていた。

「違うよ、おじさん……」

 返ったのは否定。その声には何の感情も宿ってはいない。

「おじさんが、メイルをこんないけない娘にしたんだよ」
「なにっ!私が何をしたというのだ!?」
「何もしてないよ」
「だったら!」
「何もしてないことをしたんだよ、おじさんは」

 メイルはくるおしい糾弾をブロスにぶつけた。

「なん、だと……」

「私、おじさんが大好きなの……知ってるよね」
「それは……」
「でもおじさん、私やお父さんのことを気にして、あまり激しくアプローチしてこないじゃないですか。でも……このゲームのブロスおじさんは……」

 メイルは画面を見た。

「これはやはり、普通のゲームではないのだな」
「はい、シュメールの技術で作られた、実在の人間をトレースして造られれるシミュレーターです。それを私が改造しました」
「なるほど……大変だっただろう」
「はい、おじさんと恋愛したかったから」
「……そうか」

 シュメールのシミュレーターの解析を行ったのだ。
 いろいろ動かすのに苦労しただろう。
 あのぐいぐい来たブロスも、メイルの理想の一つだったのかもしれない。
 だから――

「メイル……」

 ブロスはメイルの肩に手を置いた。

「もうゲームはしなくていい」
「ブロスさん」

だから言おう。この理想の言葉をメイルに贈ろう。

「――スケベしようや」

 ◆ ◆ ◆
   END
 ◆ ◆ ◆
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